お口と喫煙(タバコ)の関係性

2025年10月31日

こんにちは、歯科衛生士の川口です。

 

猛暑が過ぎ、秋が来たなあ、と思ったらあっという間に寒くなってきましたね。冬の気配をすでに感じてきています。現在、定期検診に通っていただいている方たちの次回の予約がもう1月末となってきていて、もう年末年始、、、とういう気持ちです。皆様も流行り病に気をつけて過ごされてくださいね。

 

さて、今回も歯科にまつわる情報を発信していきたいと思います。

 

今回のブログの内容は・・・

 

お口と喫煙(タバコ)の関係性  についてです。

 

「タバコはお口の健康に良くない」というのは、みなさんなんとなくではあっても耳にしたことがあるかと思います。

明確に何が・・・という知識はなくとも漠然とした認識として「タバコ=良くない」というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。

 

実際には、タバコの何が・どのように 口腔内に悪影響を及ぼしていくのでしょうか。

今回もいくつかのトピックに分けて詳しくお話していきたいと思います。

少しでもみなさんのお役に立つことができたら幸いです。

 

目次

1 タバコとは

2 紙タバコと電子タバコの違い

3 タバコの口腔内への実際の影響

4 禁煙の重要性

5 まとめ

 

 

1タバコとは

ナス科タバコ属の植物であるタバコの葉を乾燥・加工して作られた製品のことを指します。

喫煙(燃焼させたり、加熱したりすることで発生する煙や蒸気を吸い込むこと)によってニコチンを摂取するために使用されるものです。

主なモノに、紙巻きタバコ・葉巻・加熱式タバコなどの種類があります。

タバコに含まれるニコチンには依存性があり、ニコチン以外にも多くの有害物質が含まれており、ご本人だけでなく周囲への健康被害も問題になっています。

 

有害物質の種類とその影響について

ニコチン・・・依存性があり、血管を収縮させて血液の流れを悪くします。

       心臓や血管に負担がかかるため、脳卒中や心臓病などの全身疾患のリスクも高めてしまいます。

タール・・・発がん性物質を含み、肺がんなど様々ながんのリスクを高めます。

      また口腔内の影響として、歯を黄色くしたり、口臭の原因になったりもします。

一酸化炭素・・・体内の酸素運搬を妨げ、全体の細胞を酸欠状態にします。

        そのため、動脈硬化や心筋梗塞、脳梗塞などのリスクを高めます。

これらの有害物質の影響により、喫煙者は非喫煙者に比べて、様々な病気にかかるリスクが高くなります。病気の治療の予後にも影響が出ると言われています。歯にも悪影響を及ぼしてしまいます。

 

 

2 紙タバコと電子タバコの違い

近年は従来の紙タバコとは別に電子タバコ(加熱式タバコ)の使用者が増えています。どちらもニコチンを摂取するための製品ですが、違いは何なのでしょうか。

2-1 紙巻きタバコ・・・

・タバコ葉を燃焼させて煙を発生させる

・タール、ニコチンなど人体に有害な物質が含まれる

2-2 電子タバコ・・・

・タバコ葉を使用せずにリキッドを加熱して使用。煙は発生せず、リキッドを加熱した蒸気を発生させる

・ニコチンが含まれていないものが多い

・紙タバコに比べて臭いやヤニが少ない

2-3  加熱式タバコ・・・

・タバコ葉を燃焼させず加熱して蒸気を発生させる

・紙タバコと同様ニコチン含む

・煙や灰は出ないが有害物質含む

 

 

3 タバコによる口腔内への影響の実際

3-1 タバコに含まれるニコチン成分が歯肉の毛細血管を収縮させます。収縮により血行が悪くなることで、歯肉に酸素や栄養が行き届かなくなり、歯周病を悪化させてしまいます。

3-2 タールなどの油分が舌に付着し、舌苔(ぜったい)の原因となります。舌苔とは、舌の表面に付着する白い苔状の汚れのことです。タールなどの油分の他に、食べかすや細菌などが混ざり合って形成されます。舌苔は口臭の原因にもなり得ます。

舌苔対策:舌専用のブラシや柔らかい歯ブラシで優しく擦る。よく噛んで食べるようにして唾液分泌を促す。鼻呼吸を意識する。*健康な人にも見られるものなので完全に除去する必要はない

3-3 ニコチンが唾液分泌を抑制し、口腔内の乾燥をまねきます。

 

3-4 歯肉や歯に色素沈着を起こします。

 

3-5 タバコに含まれるニコチンやタールが、歯周組織の免疫力を低下させ、歯周病菌の繁殖を促進するため、歯周病やむし歯にかかりやすく、重症化しやすい傾向にあると言われています。

 

3-6 歯周病の治癒を妨げ、治癒効果を低下させることが知られています。特に外科処置やインプラント治療への影響が大きくなります。

 

3-7 口腔がんの最も重要な危険因子の一つです。タバコには多くの発がん性物質が含まれていて口腔内の細胞のD N Aを損傷し、異常細胞の増殖を引き起こす可能性があると言われています。

タバコを吸っていると歯肉の炎症や腫れ、出血が起こりにくくなるため、ご自身では歯周病のサインに気づきにくくなることがあります。

実際、歯周病治療を始めても歯肉の治りは悪くなってしまいます。せっかく意を決して歯科に通い、毎日のセルフケアも一生懸命に行っていたとしても、中々改善が見られない・・・もしかしたらタバコが原因になっている可能性もあるかもしれません。

 

 

4 禁煙の重要性

4-1  歯周病リスクの低下:禁煙することで歯周病のリスクを大幅に下げることができます。

4-2  治療効果の向上:歯周治療の効果が向上し、治癒も早まると言われています。

4-3  禁煙後は滞っていた歯肉の血流が良くなり、きれいなピンク色の歯肉に回復します。

4-4  食事を美味しく感じたり、肌の調子も良くなったりするなど生活の質も向上するといわれています。

4-5  受動喫煙の防止:自分だけでなく、身近にいる家族や友人など周囲の非喫煙者への受動喫煙を防ぐことができます。

4-6健康寿命の延伸:健康な体を長く保つことができて、生活を高めることができます。

 

5 まとめ

ここまでいくつかのトピックに分けて「お口と喫煙(タバコ)の関係性」について述べてきました。

デメリットと捉えてしまう観点は多くありますが、タバコを吸うことでリラックスなどのメリットも感じている人もいらっしゃいます。喫煙が完全な悪という考えではありませんが、口腔内や病気への影響も念頭に適切適量で楽しむといいのかもしれませんね。

 

ここまで見てくださり、ありがとうございました。

 

何か口腔内でお困りのことがありましたら、仙台ファースト歯科へ一度ご相談ください。

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オーラルフレイルとは?

2025年10月14日

こんにちは

仙台ファースト歯科の歯科医師の佐藤です。

今回のブログは「フレイル」についてです。

自分のことだけでなく、ご家族、ご両親にも関係することです。また自分は大丈夫と思っていても少しずつ進行しているのもフレイルの特徴です。

皆さんの参考になれば幸いです。

 

☆高齢化が進む日本社会と「フレイル」への注目

日本は世界でも類を見ない超高齢社会を迎えています。
高齢者の多くは複数の慢性疾患を抱えており、疾患の重症化予防に加え、要介護状態に至るリスクを減らす「フレイル対策」が大きな関心を集めています。

「フレイル(frailty)」とは、加齢に伴い心身の活力が低下し、生活機能が脆弱になる状態のこと。身体的な衰えだけでなく、精神面や社会的なつながりの減少など、さまざまな側面を含む概念です。
このため、行政や医療・介護の現場では、より「個別性に配慮した支援」が求められています。

 

☆フレイル予防の3つの柱

「フレイル予防の3つの柱」は次のとおりです。

  1. 口腔・栄養(食と口の健康)
    たんぱく質を中心にバランスの取れた食事を心がけ、定期的に歯科検診を受ける。→今、栄養士さんと連携して食にアプローチしていく歯科医院さんも増えております。
  1. 身体活動(運動)
    ウォーキングや筋トレなど、日常の中で体を動かすことを習慣にする。
  2. 社会参加(つながり)
    友人との食事やボランティアなど、地域との関わりを持ち続ける。

この3つを意識的に保つことで、フレイルの進行を防ぎ、心身の健康を維持できます。

 

☆口から健康を支える「オーラルフレイル」とは?

近年、特に注目されているのが「オーラルフレイル(oral frailty)」です。
これは、2014年に提唱され、日本歯科医師会が中心となって啓発が進んでいます。

オーラルフレイルとは、口のささいな衰えを放置することで、食べる・話すといった機能の低下を招き、最終的に全身の健康や社会的な活動に悪影響を与える状態を指します。

 

「食べこぼしが増えた」「むせやすくなった」「発音が不明瞭になった」といった小さなサインは、まさにオーラルフレイルの始まりです。ご自身で感じることはありませんか?

またご家族でそのような兆候を目にすることや感じることはございませんか?

 

☆オーラルフレイルの4つのレベル

オーラルフレイルは段階的に進行していく概念で、次の4つのレベルから構成されています。

1レベル:口の健康リテラシーの低下

最初の段階は、「口の健康への関心の低下」です。
高齢になると社会との関わりが減り、特に退職後の男性では地域活動への参加が少なくなる傾向があります。
そうした「社会的フレイル」や精神的な不安定さが、自分の健康、特に口腔への意識低下につながります。

その結果、歯科受診が減少し、歯周病や歯の喪失リスクが高まるのです。
この段階では、「口の健康を意識すること」そのものが予防の第一歩となります。

2レベル:口のささいなトラブル

次に現れるのが「ささいなトラブル」です。
滑舌の低下、食べこぼし、むせ、噛みにくさ――こうした小さな変化が出始める段階です。

多くの人は「年のせいだから」と柔らかい食品を選ぶようになりますが、これが習慣化すると咀嚼筋が衰え、さらに機能が低下するという悪循環に陥ります。
このレベルでは、「口の変化を自分ごととして自覚し、早めに対応すること」が重要です。

お肉類や繊維質な食品は噛みにくいため避けられたりすると栄養の偏りが生じやすくなります。

3レベル:口の機能低下

この段階では、口の機能低下が顕在化し、「口腔機能低下症」と診断されることもあります。
咬合力の低下、舌や唇の動きの衰え、口の乾燥などが進み、食べる・話すといった基本的な機能に影響を与えます。

また、栄養摂取の不十分さから**サルコペニア(筋肉量減少)ロコモティブシンドローム(運動器障害)**を引き起こしやすくなる点も注意が必要です。
このレベルでは、歯科医療機関での「口腔機能管理」が推奨されます。

4レベル:食べる機能の障がい

最終段階では、「摂食嚥下(せっしょくえんげ)機能障害」や「咀嚼機能不全」が見られるようになります。
この段階に至ると、食事そのものが困難になり、低栄養・体力低下を経て要介護状態に至ることも少なくありません。

ここでは医師・歯科医師などによる専門的なリハビリテーションが必要です。
ただし、第1~2レベルの段階で気づき、適切なケアを行えば、進行を止めることは十分に可能です。

4つのレベルを通じて見える「予防の重要性」

オーラルフレイルは単に「口の問題」ではありません。
その背景には、社会参加の減少や精神的な不調、栄養状態の悪化などが密接に関係しているのです。

つまり、オーラルフレイルは「全身のフレイル」への入り口とも言えます。
このため、歯科・医科・介護・地域支援が連携し、包括的なサポート体制を築くことが極めて重要です。

 

☆フレイルとオーラルフレイルの連鎖

オーラルフレイルは単なる口の問題ではありません。
進行に伴い、食欲低下や体重減少を招き、身体的フレイルや要介護状態への移行を加速させる「入り口」なのです。
したがって、早期発見・早期介入こそ最大の予防策です。

 

☆「かかりつけ歯科」の役割

歯科診療所は、医科のように専門分化がまだ進んでおらず、小児から高齢者まで幅広く対応できる歯科医院が多いです。
かかりつけ歯科医や歯科衛生士は、患者さんの成長や加齢による口腔機能の変化を長期的に観察し、
その人のライフステージ全体を通じて健康を支えています。

このため、単なる治療だけでなく、

  • 機能低下の予兆を早期に発見
  • 家族を通じた健康教育
  • 閉じこもり傾向の高齢者の支援
    など、地域のセーフティネットとしても大きな役割を担っています。

さらに2018年の「口腔機能低下症」保険収載により、科学的評価に基づく継続的管理が可能となりました。
これは、歯科診療所と地域住民主体のサービスが協働する新たなモデルであり、
地域包括ケアシステムの推進に直結する取り組みとして期待されています。

「話す・笑う・噛む・食べる」といった日常の行動を続けることが、心身の健康と社会的つながりを維持する鍵になります。

 

☆ まとめ1  口の健康が、人生の質を決める

オーラルフレイルは、全身のフレイルの“始まり”であり、“防げる老化”でもあります。
その予防には、かかりつけ歯科の存在が欠かせません。

地域でのつながり、定期的な歯科受診、そして食事や会話を楽しむ習慣が、
「口から始まる健康長寿社会」を実現します。

 

☆まとめ2:口から始まる健康長寿社会へ

高齢者の健康維持には、「保健事業と介護予防の一体的実施」と「オーラルフレイル対策」の両輪が欠かせません。
日々の生活の中で、

  • かかりつけ歯科医を持つ
  • よく噛み、よく話し、よく笑う
  • 地域の通いの場に参加する

これらの積み重ねが、健康寿命を延ばす最大の鍵となります。

いかがでしたでしょうか。今回のブログが少しでも皆さんのお役に立てればと思います。

仙台ファースト歯科では歯科医師だけでなく歯科衛生士とともに「虫歯治療」「歯周病治療」に加えて「噛み合わせ治療」を行なっていきます。

当院で治療を受けられた患者さんが少しでも健康になってもらえるように心掛けております。

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